平成10年3月吉日上程

炭の使い方


さて、ここでは炭の使い方について説明しましょう。

何に使うのか

入手方法

火の付け方

あと始末

注意事項


何に使うのか

まずあなたが何に使いたいのかによって買う炭も変わります。

1、キャンプなどで豪快に使う
2、七輪でサンマや松茸なんかを焼く
3、火鉢を使う
4、その他

1番の方はディスカウントストアなどで3キロ500円ぐらいの「安物」の炭を買うのもよいでしょう。やっぱり安いです。
それでも「チャ○ール」とか何とか言う名前で売っている炭(卵パックみたいな形をしている)は避けた方が良いと思います。あれで焼いた物はまずくて食えません。煙も出まくりで仮にそこが屋外キャンプ場でも目からは涙、のどからは咳が出る事請け合いです。

2番の方はできれば「本物」のを買いましょう。めんどくさいあるいはお金が無いといった方は「安物」でもいいとは思いますが、室内では使えません。ベランダなどでも苦しいでしょう。

3番の方は迷わず「本物」の炭を手に入れましょう。「チャ○ール」は言うまでもないですが「安物」ではつらいです。
まともな炭を売っている所を「入手方法」の段で紹介しますので、そちらでどうぞ。

4番の方、何に使うつもりですか?
ご飯を炊くときに炭を一本入れるとおいしくなるといいます。
しかし、安物の炭ではまるで無理です。高級品を使いましょう。それでも一日か二日たっぷりの水に入れて放置しておき、あくを抜いた方がいいです。
忍者の使うような浄水機に使いたいというあなたも同じです。


入手方法

炭・・・・・これが無くちゃ始まらない

「チャ○ール」や「安物」はディスカウントストアなどで手に入ります。
その代わり「安かろう悪かろう」は覚悟してください。
「本物」はここで比較的に安く手に入ります。
他にも燃料店があれば手に入るかもしれませんが、生産量が少ないので大変です。「豆炭」「練炭」といった物は「よい炭」の仲間に入る物が多いのでそれでもよいでしょう。
「もっと良い炭がほしい」(たとえば紀州備長炭の白炭)と言う方は和歌山県の観光協会にでも電話しましょう。でも恐ろしく高い事は覚悟してください。

七輪・・・炭ユーザーの愛用品(関西ではカンテキという)

これはディスカウントストアや荒物屋で手に入ります。 2千円台の前半とリーズナブルなお値段。これからは季節の風情を楽しむためにも非常用の火力としても一家に一台備えたい物です(断言)。
これは1シーズン(僕は30回は使う)か2シーズンで崩れてしまいます。
なお、ここページで言っている七輪は珪藻土を固めて素焼きにした安いものです。焼き物でできた丈夫な物もあります。
火鉢・・・究極の大技「股火鉢」を求めて

焼き物屋で手に入りますがすげー高いです。ウン万はします。「炭櫃」ぐらいの大きさ(小型の料理用ボウルぐらい)なら2千円ほどから。
こういうのに網を乗せて餅を焼くのもまた一興です。

火の付け方

炭は火力も強く長持ちするすばらしい燃料ですが、いかんせん火が付きにくいという欠点があります。
ここではその火の付け方をお教えしましょう。

なお、炭は一般に高級品であれば高級品であるほど火がつきにくくなります。覚えておくと良いでしょう。
本物は炭に火を付ける場合は「消し壷」と言う金属製の壷の中で酸素不足で消えた炭、いわゆる「消し炭」を使います。
これは炭ほど長持ちはしませんが火の付きやすい物で、まぁ炭と普通の灰の中間ぐらいの物だと思っていただいて結構です。
これがあれば新聞紙かなんかを燃やして消し炭に火を付け、火の付いた消し炭を炭の中に入れれば消し炭から炭に火が付きます。

しかし消し炭を持ってない方はどうすればよいのか?

キャンプなどの場合

「チャ○ール」はライターで簡単に火が付きます。「安物」は着火材が着いてる事も多く、着いていた場合はそれに火を付けてその周りや上に炭を置いておけば付きます。(完全に埋めてしまうと酸素がなくなって着火材の炎が消えてしまうので注意:「燃える煙」の元になります)
さて「安物」や「本物」の炭で着火材がない場合が問題です。

1、たき火にほうり込む。
これが一番簡単かつ確実でしょう。火が付いた頃合いを見計らって炭を取りだし、他の炭の中に入れればO.K.。
逆に火の付いた枝や木切れを炭の中に入れるのは感心しません。その木片から「燃える煙」が出てせっかくの炭の良さを損なってしまいます。
また炭に火を付けるには結構な火力と時間が必要なので枝の一本や二本ほうり込んでもまず火は着きません。

2、着火材を用意していく。
おがくずに灯油を染み込ませて簡単な着火材にできます。おがくずを使うのは灯油がなくなったらすぐに燃え尽きて「燃える煙」を出さないため、灯油は炎を長持ちさせるために使います。
炭に直接灯油をぶっ掛けて火を付けると灯油の蒸気(これも「燃える煙」の一種)がでて体に非常に悪いです。おまけに耐えられんぐらい臭いです。
おがくずがなかったら新聞紙などでもいいんじゃないかな?でもおがくず程油をすわないので量が結構必要かも。
おがくずならカップ2ー3杯もあればいいと思います。

どちらの方法でも火の付いた炭を端っこにおいてそっちから扇ぐと速く火が付くでしょう。別に真ん中においてぐるぐるまわりながら扇いでも良いですが。

七輪で炭を使う場合。
僕の場合はこれが一番多いです。秋にはサンマ、冬は餅、夏は焼き肉などを焼いています。
まず七輪の下の小窓を明けます。
七輪の中に炭を支える網が入っているかどうか確かめて炭を入れます。けちらず必要な数を入れましょう。
下の小窓から雑誌や新聞紙などをちぎって丸めた物を入れて火を付けます。この時あまりきつく丸めるとあとで「燃える煙」が出る元になるので軽く、中で広がる程度にしておきましょう。
あとは小窓から風を送り込みながら紙などを小窓から補給していき、炭に火が付くまで頑張ります。風をとめて七輪に手を翳したときあったかければ火が付いていると思ってよいでしょう。「安物」なら炭から炎が出るのですぐ分かります。(この炎が消えると煙が出だす)。
風を送り込むのは口では結構大変です。過換気症候群で倒れそうになります。団扇も結構しんどいです。ここは素直に扇風機やファンを使いましょう。

最近、「煙突」を使うと楽だという情報を入手、この度やってみました。
僕は手近になった紙を丸めて筒状にし、七輪の上に付けてやってみました。
何と楽なことか。扇ぐ必要は全く無くなります。これはお勧めです。
ただし、煙突は高さ30cmぐらいは必要です。また、炭を支える網状のものが七輪には付いていますが、これが焼き物の奴だと上手く行きません。たぶん空気の通れるところが狭いためでしょう。金属製のものがあれば、それを使った方がいいです。
とにかく、手ごろな「煙突」が用意できれば七輪に火を付けるのは非常に簡単になります。ブラボー煙突!!


理論的には煙突を用いることによって七輪の起こす上昇気流を利用して小窓から空気を吸い込むような流れが出来るため、空気を吹き込まなくてもよいようになります。
このため、煙突は長い方が良いです。また、出来る風の流れは弱いので、扇風機を使った時のように紙をどんどん入れていくと火が消えます、のんびりやりましょう。
なお、なかなか火がつかない場合には炭を少な目にして七輪の中、炭の上でも紙を燃やすと良いでしょう。
もちろん、この場合は下から扇がないように。
紙の灰で七輪がいっぱいになるぐらいまで燃やすと(下からも燃やすことに注意)熱がこもるために着きやすいようです。

あんまり火が付いてないと思っても、30分も立てば立派な炭火になります。
この間に大根おろしを作るもよし、砂糖醤油を用意するもよし。
また、七輪の下の所にある小窓は本来は火力調整用です。火が強すぎると思ったら閉めましょう。

火鉢の場合
大きな火鉢なら前回使うのを止めるときに新しい炭を加えて灰に埋めておくのが本当です。そうすれば次は炭を掘り起こして新しい炭を加えるだけ。24時間は持ちます。(これを炭をいけるという)。 しかし現代ではそんな事も無いでしょう。かと言って火鉢で直接火を付けるのは大変。(ほぼ無理)そういう時は次の必殺技を使いましょう。
さていろんな場合の火の付け方を書いてきましたが、家にいる場合はもっと簡単な火の付け方があります。
それはズバリ

ガスコンロで火を付ける

です。 適当に五徳の間に炭を転がして1ー2分もガス火であぶれば火が付きます。
屋外でもカセットコンロでできます。
コンロが汚れるのがいやなら金網をおいてその上であぶるとよいでしょう。ただし直火の届く範囲で。
この方法がもっとも速く確実です。
ただし、質のよくない物(質の良いものでもたまにあるようです)ははぜて(爆跳)火の粉や破片が飛ぶ事があるので安い物ではあまりお勧めできません。
まぁ、農家なら雑草駆除用の火炎放射器という手もありますが。 火がついたら火箸で持って七輪などに入れ、適当に炭を追加して火が大きくなるのを待ちましょう。

後始末

消し炭を作るのなら「消し壷(金属製の蓋のできる入れ物なら何でも)」に入れておきましょう。酸欠で火は消えます。
そうでない場合、たとえばキャンプなどの場合は水を掛けて消しましょう。たっぷりかけるのをお忘れなく。
人がついているのなら自然消火をまってもいいでしょう。
七輪の場合、水を掛けると七輪が割れます。中に可燃物が入らないようにコンクリートブロックなどで蓋をして自然消火を待ちましょう。
火鉢の場合は炭の奥深くに埋めておきましょう。十分深ければ火は消えます。そうでなくても上に紙などが落ちたときに燃え上がったりしないようなぐらいには深く埋めておきましょう。

つまり普通のたき火の後始末といっしょですね。


注意事項

締め切った屋内で炭を使うと一酸化炭素中毒の危険性があります。

一度など僕が夜遅くに大学の部室に行くと始末していない七輪が置きっぱなしになっていて、同じ部屋の中で人が寝ていました。
部屋に入った瞬間クラッとするぐらいやばかったです。 僕が偶然来なかったらあの人はあぶなかったかも。
火を扱うのに注意して注意しすぎる事はありません。 室内で炭を使うときは必ず換気に注意してください。
使いおわったら安全な覆いをしてできれば室外に出しましょう。

ちなみに一酸化炭素中毒の初期症状は「眠い」あるいは「頭痛」です。

特に七輪で鍋をしながら酒盛りといったときには十二分に注意してください。
飲んで眠たくなったのではなく中毒なのかもしれません。また、一酸化炭素中毒は非常に個人差が大きいので一人でも不調を訴えたら直ちに換気しましょう。


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